労災保険の給付実例(建設業一人親方)
労災保険の給付は労働者が被災した場合の給付内容と同じです。ただし、一人親方の場合は、給付額の基礎となる給付基礎日額を自分で選択します(労働者は支給された賃金を基に決定されます)。
仕事中に被災(ケガ)をして病院で治療を受けた場合、その治療費は全額給付を受けられるます。つまり、病院での窓口負担はゼロ円です。一方、健康保険なら窓口負担は3割です。
また、仕事中のケガが原因で仕事ができない間の所得補償制度もあります。
例を挙げてみます。
大工工事をメインで行っている一人親方のAさんが現場で作業中に脚立から転落して腕を骨折、1週間の入院と退院後も2か月の休業を余儀なくされました。
この場合、まず、病院代は全額給付が受けられます。つまり、窓口負担はゼロ円です。(ただし、差額ベッド代等を選択した場合は別途かかります)。
次に、休業中の休業補償ですが、これは、一人親方が選択した給付基礎日額の8割が支給額となります。
給付基礎日額 ⇒ 休業補償給付⇒ 2か月休業分(57日分とする)
@3500円 ⇒ 2800円 ⇒ 159,600円
@5000円 ⇒ 4000円 ⇒ 228,000円
@10000円 ⇒ 8000円 ⇒ 456,000円
労災保険からの給付は、保険料に対してかなり手厚くなっています。それは、国が管掌する制度だからです。
なぜ、国が管掌するとそうなるかというと、
① 大数の法則で、保険料を抑えることができる。
② 保険料と給付がほぼイコール
だからです。
①は、加入者数が断然多いため、事故率が安定していて、保険料を抑えることができますし、
②は、民間保険との比較ですが、民間保険は保険料の半分が事業費に費消されますが、労災保険はほぼ全額が給付に充てられることの違いからくるものです。
つまり、100万円の保険料に対して給付額50万円なのか、50万円の保険料に対して50万円なのかの違いです。
同じ給付額であれば、労災保険料が圧倒的に安く設定できるのです。
とはいえ、一人親方や中小事業主は強制的に労災保険に加入はしませんので飽くまでも任意加入となりますが、上記給付例を見れば、任意加入しておいた方がいいと思えるのではないでしょうか。
もちろん、任意加入ですから「ケガの補償などが必要無い」という方は、加入しなくても構いません。
余ったお金は、NISAやiDeCoや小規模共済に回しましょう(笑)。
