維新議員国保逃れは違法ではなくて脱法?
なぜ100万円が14万円に?ニュースで話題の「国保逃れ」の正体
最近ニュースで見かけるようになった、地方議員による「国保(こくほ)逃れ」という問題。 実はこれ、少し前からネットやYouTubeで「社会保険料を安くする方法!」として、怪しげな宣伝がさかんに行われていたものです。
自営業の人たちが払う「国民健康保険」と「国民年金」は、家族構成や収入によっては、年間で100万円もの負担になることが珍しくありません。
それがなんと「年間14万円くらいになります!」というのが、このビジネスの売り文句です。 (実際には、紹介した団体に手数料を払うので、手元に残るのは年間40〜50万円くらいの節約になる計算です)
正直、これだけ安くなるなら「やってみたい」と思う人もいるでしょう。 なぜなら、今のところ「違法(犯罪)」ではないからです。でも、法律の穴を突いた「脱法行為」であることは間違いありません。
いったいどんな仕組みなのか解説します。
1. 普通は「月収1万円」では社会保険に入れない
サラリーマンが加入する「社会保険(健康保険や厚生年金)」は、基本的にはフルタイムで働く人たちのためのものです。 パートの人でも、「週20時間以上働く」「月給が約8.8万円以上」といった条件をクリアしないと入れません。つまり、月給1万円や3万円といった低い給料では、普通は加入できないのです。
2. 「社長や役員」だけにある特殊なルール
ところが、ここに「裏口」があります。 会社の社長や「理事」といった役職の人は、たとえ月給が1円であっても社会保険に加入できるというルールがあるのです。
なぜなら、役員は「雇われている労働者」ではないので、国が定めた「最低賃金(これ以上低い給料はダメという決まり)」が適用されないからです。
3. 「節税ビジネス」の驚きのカラクリ
ここに目をつけた人たちが、こんなビジネスを始めました。
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まず、ペーパーカンパニー(中身のない団体)を作る。
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「保険料を安くしたい自営業者」を集める。
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その自営業者たちを、その団体の「理事(役員)」にする。
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形だけ「月給1.5万円」を支払うことにして、社会保険に加入させる。
この仕組みの中身は、とてもいびつです。 通常、役員は仕事をして報酬をもらいますが、このケースでは逆に自営業者が団体に「手数料(月4〜5万円)」を支払います。
団体はその手数料の中から、
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自営業者への「給料(約1.5万円)」
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国に納める「社会保険料(約1.2万円)」 を支払います。
自営業者の手元には給料は残りませんが、代わりに**「年間100万円近かった保険料」が、団体に払う「年間数十万円の手数料」に化けて、結果として安くなる**というわけです。
4. 放置すれば、国の仕組みが壊れる
この団体側は、1人につき月1.5万〜2万円ほどの手数料が利益になります。 もし600人の顧客がいれば、毎月1,000万円以上の利益です。やることは書類の手続きだけなので、数人の事務スタッフがいれば運営できてしまいます。
仕組みは単純ですが、明らかに「保険制度を悪用したズル」です。 これを国が放置し続ければ、真面目に保険料を払っている人たちがバカを見ることになり、最終的には国民健康保険の仕組みそのものが壊れてしまいます。
制度の穴を放置せず、しっかりとした対策を期待したいところです。
