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005 DC引上げってメリットある?

確定拠出年金(以下、「DC」)の掛金額を引き上げる話が、政府から与党へ提案されてきました。

DCとは、Defined Contribution=拠出建て、と言われるもので、掛金を加入者が運用して将来受け取る年金の額を決定する年金制度です。

対義語としてDB(Defined Benefit)=給付建て、と言われる確定給付年金があります。こちらは、給付額が決まっていて、積み立てていった金額が予定された給付額に不足する場合は、企業側が補填する必要があります。

つまり、DCは受給する人に運用責任があり、DBは支給する人に責任がある制度ということになります。ま、そんなことはどうでもいいですね。

DCの掛金額月額が、個人型は23,000円から62,000円に、企業型は55,000円から62,000円に引き上げるような提案となっています。

個人型で見てみると、実に39,000円もの引上げ額です。年間でみると468,000円もの引上げ額となります。

誰が特をするか?

比較的給与の高くて、余裕のある方だけです。なぜか?

確定拠出年金自体は受け取る際に課税されます。一応、退職所得控除や公的年金控除があるという理屈で節税をアピールしていますが、受給するタイミングによっては受給額全額が課税対象となってしまいます。

ただし、掛金を拠出するときは、掛金額が全額所得控除され節税可能となります。

例えば毎月2万3千円を拠出する場合の年間の節税額を見ると、

年収300万円の会社員だと41,400円、

収1000万円の会社員だと82,800円

が節税できます。当たり前と言えば当たり前ですが、年収が高い人の方がお得な制度となっているわけです。この2人が家を建てたらどうなるか?年収300万円の人の節税効果は当分の間はゼロとなります。そりゃそうです。住宅取得控除で税金ほぼ戻ってきますから(笑)。DCの節税効果はほぼ消失することになります。

その仕組みのまま、掛金額を上げたらどうなるか?格差は更に広がります。別に格差はしょうがないでしょうけど。一応計算してみます。

毎月62,000円を拠出する場合の年間の節税額は

年収300万円の会社員だと、111,600円

年収1000万円の会社員だと223,200円

が節税できることになります。

庶民にとっての1万円は非常に大きな金額ですよね。裕福な方や政治家の方にはなかなか理解して頂けないのかもしれませんが、所得の少ない人と多い人では「効用」が違うのです。同じ1万円でもそこから得られる効用は全く異なるのです。

ですから、皆さん、とりあえずお金持ちになりましょう!

閑話休題。

何が言いたいかというと、収入が多い人には、今回の法改正は非常におおきなメリットになります。ただし、運用と受給時のタイミングは考えましょう。ということでした。機会があれば、また私見を披露したいと思います。とりあえず、今の時点ではDCの運用は好調です(笑)。